砥部焼の代名詞ともいえるこの「染付唐草文」は、昭和30年代、梅野精陶所(梅山窯)に入所した若きデザイナーが生み出したものです。
東北出身で、札幌や東京の美術学校で研鑽を積んだ工藤省治さんが、砥部の地に降り立ち、作陶をはじめて今年で55年。今や砥部だけにとどまらない世界的な活躍をされている巨匠の作品(仕事)を一同に集めた展覧会が、愛媛県美術館で開催されています。
昭和35年から50年代にかけて梅山窯で手がけた工藤さんの陶磁器、デザイン原画をあわせて160点以上展示。
ぽってりと厚い白磁に人の手でしか表現できない藍の文様という、現代砥部焼の原点ともいえるこのスタイルの誕生の軌跡を実感できます。
また、昭和から平成にかけての「愛媛の陶芸展」受賞作品の展示の他、磁器創業200年を記念して制作された貴重なドキュメンタリー映像なども楽しめます。
器つくりの主眼は「風土性を内在した美の表現」と語る工藤さん。
砥部という土地で生まれたこの「すがた」と「もんよう」に思うまま触れられるひとときを、ぜひ体験してみてはいかがでしょうか。
「現代砥部焼の原点・工藤省治の仕事と昭和のデザインプロジェクト」は、愛媛県美術館新館2階特別展示室で3月30日(日)まで開催。(入場は17:30まで)
観覧料600円。高校生以下は無料です。
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